ネイティブが日常英会話でよく使うイディオムの特徴と効果的な覚え方

イディオムの学習は英語力の向上に欠かせないものですが、イディオムが何なのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか。

本記事では、イディオムの特徴と効果的な覚え方について解説します。これから英語学習を始めたい人や、英語力を向上させたい人はぜひ参考にしてください。

目次

イディオムとは

イディオムとは、2つ以上の単語が結びついて、元の単語の意味とは異なる意味を表す慣用句のことです。

ネイティブは日常英会話の中でイディオムをよく使います。イディオムの意味を知らないと会話が理解できないため、イディオムの学習が不可欠です。

イディオムの特徴

イディオムは元の単語の意味とは異なる意味を持つため、それぞれの単語の意味から全体の意味を推測しにくいのが特徴です。

例えば、「It’s raining cats and dogs」 は直訳すると「猫と犬が降っている」ですが、イディオムの意味は「土砂降りだ」です。

イディオムはその言語を使う国の文化や歴史に根ざした表現が多く、同じ英語圏でもイギリスとアメリカでは異なるイディオムが使われることがあります。

イディオムの学習では、その国の文化的背景を理解することが重要です。

イディオムと熟語の違い

イディオムと熟語は混同されがちですが、同じものではありません。

それぞれの違いについてわかりやすく説明します。

意味の推測のしやすさ

イディオム:それぞれの単語の意味からは全体の意味を推測するのが難しい

「a piece of cake」は直訳すると「1切れのケーキ」ですが、「とても簡単なこと」という意味になり、単語の意味からは推測できません。

熟語:使われている単語から意味をある程度推測できる

「on time」は「時間通りに」という意味で、単語の意味から推測しやすいです。

比喩表現の使用

イディオム:比喩表現が多く使われている

「ring a bell」は「ピンとくる」という意味で、何かを思い出すことを例えた表現です。

熟語:比喩表現はあまり使われない

「go to bed」は文字通りの「寝る」という意味です。

文化的背景

イディオム:その言語の文化的背景を反映していることが多い

「Sleep tight」の意味は「ぐっすり眠る」という意味で、昔の欧米のベッドがロープによって硬く縛られていたことが由来だと言われています。

熟語:その言語の文化的背景を反映していることが少ない

翻訳のしやすさ

イディオム:他の言語に直訳するのが難しく、意味が通じにくい

熟語:他の言語に比較的翻訳しやすい

学習の難易度

イディオム:意味を丸暗記する必要があり、学習が比較的難しい

熟語:単語の意味から推測できるため、比較的学習しやすい

イディオムと熟語の境界線は必ずしも明確ではなく、両者を厳密に区別するのが難しい場合もあります。イディオムはより比喩的で文化的な表現が多く、熟語はより直接的で意味が推測しやすい表現が多いと覚えておくと良いでしょう。

ネイティブがよく使うイディオム6選

イディオムには、どうしてそういう意味になるの?と興味をひかれるものが多くあります。

ここではネイティブがよく使うイディオムを紹介します。

1.「break a leg」頑張って、成功を祈る (特に舞台に立つ人に対して)

直訳:足を折れ

舞台に立つ前に「good luck (幸運を)」と言うと逆に不運を招くという迷信があり、あえて反対の意味の言葉を使うようになったという説があります。

2.「see eye to eye」意見が一致する

直訳:目と目を合わせる

目と目を合わせるように、考えや意見が完全に一致している状態を表しています。

3.「bite the bullet」困難に立ち向かう、覚悟を決める

直訳: 弾丸を噛む

戦場で麻酔なしに手術を受ける際、兵士が痛みをこらえるために弾丸を噛んだことに由来しています。

4.「when pigs fly」起こりようもないこと

直訳:豚が飛ぶとき

豚が飛ぶという現実にはあり得ない状況を表しています。

5.「under the weather」体調が悪い

直訳:天気の下

船乗りたちが悪天候で体調を崩していたことが由来になっています。

6.「the kiss of death」命取りになるもの

直訳:死の口づけ

語源は聖書にあり、キリストを裏切ったユダの死の接吻と言われています。

これらのイディオムは直訳では意味が通じないため面白く、ネイティブとの会話を盛り上げるのに役立ちます。

イディオムを理解し、適切な場面で使えるようになると英会話がより楽しくなるでしょう。

イディオムを学習する4つのメリット

イディオムの学習は単に語彙力が向上するだけでなく、総合的な英語力の向上に大きなメリットがあります。

イディオムを学習するメリットについて詳しく解説します。

1.リスニング力の向上

イディオムはそれぞれの単語の意味とは異なる特定の意味を持つため、その意味を知っているのと知らないのとでは、会話の理解度が大きく変わります。

イディオムを覚えておくと、会話のニュアンスやユーモアを理解できるようになり、リスニング力が向上します。

日常の英会話の中で頻繁に使われるイディオムを理解できるようになると、会話がスムーズになります。

2.表現の幅が広がる

イディオムを覚えると、日常英会話で使う言葉が増え、単調な表現にならずに多様で柔軟な表現を使えるようになります。

表現の幅が広がると、ライティングやスピーキングにおいても、相手に伝わりやすく説得力のある表現ができるようになります。

3.文化的背景の理解

多くのイディオムはその言語を話す国の文化、歴史、価値観を反映しています。

イディオムを学習すると、単に言葉の意味だけでなく、その背景にある文化的な由来も理解できます。

イディオムを学び、その国の文化的背景を理解することで、より深みのある異文化交流とスムーズなコミュニケーションが可能になります。

4.学習の楽しさ

イディオムは独特な表現や比喩的な意味を持ち、言葉遊びのような楽しさがあります。

イディオムの学習を通して、英語への興味が深まり、学習意欲が向上します。 

映画やドラマ、音楽などで使われているイディオムを理解できるようになると、エンターテイメントをより楽しめるようになり、学習意欲の持続も期待できます。

イディオムの効果的な覚え方

イディオムは単語から意味を推測できないため、なかなか覚えられない、覚えてもすぐ忘れてしまうと悩んでいる人もいるでしょう。

そこで、イディオムの効果的な覚え方のポイントについて説明します。

イディオムを効果的に覚える4つのポイント

1.語源や文化的背景を理解する

イディオムの由来や文化的背景を調べて、なぜそのような表現になったのかを理解すると、記憶に定着しやすくなります。

比喩的な表現が多いイディオムを丸暗記に頼らず、効率的に覚えることができます。

 2.文脈を意識する

イディオムは文脈によって意味が変わることが多いため、単に暗記するのではなく、どのような状況で使われるかを理解することが重要です。

例:「spill the beans」

イディオムの意味: 秘密を漏らす

文字通りの意味:豆をこぼす

 

映画やドラマを観る際に、イディオムが登場する場面を探してみるのも良いでしょう。

 3.実際の文を作る

自分でイディオムを使った文章を作ることで、実際の英会話での使い方を意識しながら覚えられます。

様々な状況でのイディオムの使い方を練習すると、実際の会話での応用力が身に付きます。

イディオムを使って英語で日記を書いてみるのも効果的です。表現が豊かになり、感情や状況をより生き生きと伝えられます。

例:「Today was a piece of cake!」今日はとても楽な一日だった。

4.テーマ別にまとめる

イディオムをテーマごとにまとめて覚えると、それらを関連付けて記憶しやすくなります。

例えば、同じ動詞を使ったイディオムをグループ化して覚える方法があります。

例:「hit the~」

hit the sack:寝る

hit the books:猛烈に勉強する

イディオム習得に効果的な学習ツール

イディオムの学習ツールには、さまざまな種類のものがあります。自分の学習スタイルや目的に合ったツールを取り入れて、継続して取り組むと良いでしょう。

ここでは、取り入れやすい学習ツールを紹介します。

参考書・問題集

特徴イディオムの意味、例文、使用場面などが詳しく解説されているレベル別や用途別に構成されていることが多い
メリット手軽に持ち運べる、自分のペースで学習できる、価格が安い
デメリット音声で学べない

CD・DVDなどのセット教材

特徴:音声や映像を通じてイディオムを学べる

   リスニング力も同時に鍛えられる

メリット:移動中などのスキマ時間に活用しやすい

     耳から英語をインプットできる

デメリット:事前に中身をしっかり確認できない

      アウトプットの機会がない

アプリやオンライン学習ツール

特徴:ゲーム感覚で楽しく学べる

   学習進度の管理や復習機能がある場合が多い

メリット:いつでもどこでも学習できる

     反復練習がしやすい

     多くの場合、音声付きで発音も学べる

デメリット:アウトプットの機会が限られる

      実践的な使用法を学びにくい場合がある

英会話教室

特徴:実際の会話の中でイディオムを学べる

   講師からのフィードバックが得られる

メリット:インプットとアウトプットが同時にできる

     実践的な会話力が身に付く

     疑問点をその場で解消できる

デメリット:料金が高い

      時間や場所の制約がある

これらのツールを組み合わせて学習に取り入れると、より効果的にイディオムを習得できます。

イディオムの学習を始める時期

実際にイディオムの学習を始める場合、具体的にどのタイミングが良いのか疑問に思う人もいるでしょう。

イディオムの学習を始める時期について、基本的な考え方を解説します。

基礎的な英語力を身に付けてから

イディオムを理解するためには、ある程度の単語や文法知識が必要です。

日本の学校教育で英語を学んでいる場合は、中学2~3年生程度の英語力を身に付けてからイディオム学習を始めるのが効果的です。

学校で英語を習う前から英語学習を始めている場合は、さらに早い時期からイディオム学習を始められるでしょう。

初級者や子どもの場合

初級者や子どもがイディオムを学ぶ場合は、基礎的な英語学習と並行して、簡単なイディオムから少しずつ覚えていくと良いでしょう。

ただし、イディオムは応用的な学習になるため、初級者や子どもにとって理解が難しい場合があります。

個人の学習進度に合わせた内容と、適切な時期を選ぶことが大切です。

イディオムの学習で英語力アップ

本記事では、イディオムの特徴や効果的な覚え方について解説しました。

日常英会話でよく使われるイディオムを習得すると、会話のニュアンスを正確に把握できるリスニング力や、自然で豊かな表現を用いたスピーキング力が身に付きます。

また、イディオムには言語の背景にある文化的要素が含まれているため、その学習を通じて異文化コミュニケーション能力も向上します。

イディオムの学習は、単に語彙力の向上だけでなく、文脈理解や文法知識の向上にも役立ち、結果として総合的な英語力の向上につながります。

よかったらシェアお願いします!
  • URLをコピーしました!
目次