高校入試の英語の配点は、長文問題が約半分を占めていると言われています。
効率良く英語の得点を伸ばすためには、読解力を鍛えることが重要です。
本記事では、英語の読解力を鍛える勉強法と長文問題を解くコツについて、詳しく解説します。英語の得点を伸ばすためのヒントが詰まっていますので、ぜひ参考にしてください。
英語の読解力を鍛える勉強法
英語の長文読解には、語彙力、文法力、文章構造の理解力が不可欠です。単に英語の知識だけでなく、文章を論理的に読み解き、内容を正確に理解する力が求められます。ここでは、
英語の読解力を鍛えるための具体的な学習方法について解説します。
単語・熟語学習で語彙力を身に付ける
読解力向上には、基礎となる語彙力が欠かせません。中学生が覚えるべき単語は1,600~1,800語程度と膨大な量で、毎日の継続学習が必要です。ここでは、効果的な単語・熟語の覚え方を紹介します。
毎日継続する
1日に覚える単語・熟語の目標数を決めて毎日取り組みましょう。覚えるときは書くだけでなく、発音して声に出すことで記憶が定着します。
例文と一緒に覚える
単語だけでなく、例文と一緒に覚えることで、その単語のニュアンスや具体的な使い方を身に付けられます。
関連語をまとめて覚える
例えば、「run(走る)」を覚えるときに、「runner(走者)」「running(ランニング)」など関連語も一緒に覚えると、記憶に定着しやすくなります。
小テストや復習の習慣を付ける
定期的に覚えた単語・熟語を小テスト形式で確認し、覚え切れていない単語を重点的に復習します。
例えば、新しく単語を覚える前に、前日に覚えた単語の確認をします。覚え切れていない単語は、新しく覚える単語と一緒に再度学習します。この繰り返しで語彙力を確実に伸ばせます。
英文の構造を理解する
英文の構造は主に5つの文型から成り立っています。基本文型を理解しておけば、長文でも正確に、意味を理解しながらスムーズに読めるようになります。
5つの基本文型
第1文型: 主語(S)+動詞(V)
例:Birds fly. (鳥が飛ぶ。)
第2文型: 主語(S)+動詞(V)+補語(C)
例:She became a doctor. (彼女は医者になった。)
第3文型:主語(S)+動詞(V)+目的語(O)
例:I love cats.(私は猫が好きだ。)
第4文型:主語(S)+動詞(V)+目的語(O)+ 目的語(O)
例: She gave me a book. (彼女は私に本をくれた。)
第5文型:主語(S)+動詞(V)+目的語(O)+補語(C)
例:We found the movie interesting.(私たちはその映画が面白いと思った。)
5つの基本文型の覚え方
- 穴埋め問題を解く
- 並び替え問題を解く
- 各文型ごとに短い例文を暗記する
英語の5つの基本文型は、どれも中学校で習います。しっかりと理解しておきましょう。
英語の語順のまま理解する
英語を日本語に訳しながら読むと、前後に行き来しながら意味を確認する必要があるため、時間がかかります。英文をスムーズに読むためには、英語の語順のまま理解することが重要です。以下では、英語の語順のまま理解する方法を紹介します。
短い英文で練習する
まずは簡単な文で練習しましょう。
例:「I eat apples.」→「私は食べる、りんごを。」と、英語の順番のまま考えます。
句やフレーズで区切る
文を意味のまとまりで区切って、理解します。
例:「I went to the park yesterday.」
→「私は行った」「公園へ」「昨日」と分けて、順番通りに理解します。
前から順に意味をつなげる
日本語のように後ろから訳さず、英語の語順で少しずつ意味を足していきます。
例:「She is reading a book in the library.」
→「彼女は読んでいる」「本を」「図書館で」
音読を取り入れる
英語の文章を声に出して読むことで、語順のリズムに慣れることができます。
慣れてくると、意味も語順のまま頭に入ってくるようになります。
パラグラフ読み
パラグラフ読みは、段落ごとに内容を理解する読解法です。各段落には筆者の主張が1つあり、それを把握することで全体の流れや構成が見えてきます。
この方法を使うと、重要な情報を見極める力が身に付き、速く正確に英文を読み解けるようになります。ここでは、パラグラフ読みの方法について解説します。
最初の文をしっかり読む(トピックセンテンス)
パラグラフの最初の文は、その段落で一番大事な「主題」が書かれています。「この段落は何について書かれているか」と考えながら読みます。
詳しい説明を読む(サポートセンテンス)
2文目以降には、具体例や理由などが書かれていて、主題を詳しく説明しています。「どんな説明がされているか」を意識しながら読みましょう。
重要な単語やキーワードに注目する
英文を読んでいると、大事な言葉(キーワード)が段落内で何度も出てきます。その言葉に線を引くか、心の中で覚えておくと、内容がつかみやすくなります。
ディスコースマーカーをチェックする
ディスコースマーカーは、文章の流れや論理構造を示すキーワードです。これに注目すると、筆者の主張や段落の展開が理解しやすくなり、段落の要点を効率的に把握できます。
以下に、ディスコースマーカーの例と役割を紹介します。
追加・補足:and, also, too
対比:but, however,yet
原因・結果:because, so, for this reason
例示: for example, like, such as
結論・要約:finally, in the end
精読と音読を組み合わせる
精読
精読とは、一文一文を丁寧に読み、わからない単語や熟語を調べながら、文法や文章の構造をしっかりと理解することです。精読を行うことで、文章全体の意味を正確に把握する力が身に付きます。
【精読の主なメリット】
- 文の構造や語句の役割を確認するため、文法理解が進む
- わからない単語や熟語を全て調べて理解するため、語彙力が向上する
- 細部まで理解する力が付き、文章全体の意味を素早く把握できるようになる
音読
長文を精読した後は、音読を行いましょう。前から順に読み進めることで返り読み(前後に行き来しながら意味を確認すること)を防ぎ、英語の語順のまま理解する能力が向上します。繰り返し音読することで、英文を見ただけで意味が把握できるようになります。
【音読の主なメリット】
- 英語の語順どおりに読む習慣が付く
- 同じ文章を繰り返し読むことで読むスピードが飛躍的にアップする
- 文中の単語やフレーズが記憶に残りやすい
- 耳で音を聞くためリスニング力も鍛えられる
精読と音読を組み合わせて実践することで、英語の読解力は確実に向上します。コツコツと続けることが大切ですので、計画的に取り組みましょう。
長文問題を解くコツ
限られた時間で長文問題を効率良く解くためには、速く正確に回答を導き出すためのコツを押さえておく必要があります。英語の得点を伸ばすために不可欠ですので、しっかりと習得しましょう。
設問を先に確認する
本文を読む前に、まず設問に目を通して、何が問われているのかを把握しましょう。設問を先に確認し、本文を読む際に特に注目するキーワードを特定します。
キーワードとは、固有名詞(人名や地名)、具体的な数字、特殊な単語や使用頻度が低い単語など、本文中で該当箇所を見つけやすくする目印のことです。キーワードを意識しながら読むと、効率的に情報を探し出せるため、時間短縮になります。
読みながら問題を解く
本文を読み進める際に、穴埋めや並べ替えなど、解ける問題が出てきたら、その場で解答していきましょう。本文の内容を忘れないうちに解答できるので、記憶を活用しながら効率よく解けます。問題を解くことで、その後の文章の内容も、より理解しやすくなります。
登場人物をマークする
本文に登場する人物の名前に印をつけたり、重要な行動や発言に線を引くことで、「誰が何をしたのか」を整理できます。特に物語文や説明文では、登場人物の役割や関係性が問われることが多いです。登場人物を意識することで情報が整理でき、ミスを防げます。
長い文は区切って理解する
一文が長い場合は、接続詞(and, but, becauseなど)や前置詞(in, on, with など)、カンマ(,)を目安に、文を区切りながら読むのがポイントです。それぞれの区切りごとに内容を簡単に訳し、全体の意味を組み立てていきましょう。
修飾語句(形容詞や副詞)がどの単語を説明しているのかを考えると、より正確に意味が掴めます。
文章構成を意識する
英語の長文は、多くの場合「導入」「主題」「結論」という流れで構成されています。それぞれの段落の持つ役割を意識することで、重要な情報の位置が把握しやすくなります。特に最初と最後の部分には、本文全体の内容を要約する情報が含まれていることが多いため、重点的に読むようにしましょう。
時間配分を意識する
長文問題は配点が大きいため、制限時間内に全て解き終えることが重要です。最初から最後まで全ての文章をじっくり読むのではなく、問題に関連する部分を優先的に読むように心がけましょう。わからない単語があっても立ち止まらず、文脈から推測しながら読み進めて、時間を有効に使うよう心掛けることも大切です。
読解力を鍛えるモチベーションの保ち方
読解力を鍛えるためには、長期的な取り組みが必要なため、モチベーションを保つのが難しいと感じることもあるでしょう。ここでは、効果的なモチベーションの保ち方を紹介します。
挫折しそうなとき
小さな成功体験を重ねる
挫折しそうなときは、乗り越えるために小さな成功体験を重ねることが重要です。高い目標を一気に目指すのではなく、達成しやすい目標を設定し、達成することで自信をつけましょう。
例えば「英語長文を最後まで読む」といった大きな目標を、「1日1段落理解する」などの達成しやすい小さな目標に分けます。成功体験を重ねることで、少しずつ読解力が向上している達成感が感じられます。
読解力を鍛える目的を再確認する
長文読解が辛くなったときは、読解力を鍛える目的をもう一度考えてみましょう。進学や試験合格など、将来の目標を達成した自分の姿を思い描くと、前向きに取り組めるはずです。
集中力が続かないとき
ポモドーロ・テクニックを活用する
ポモドーロ・テクニックとは、25分間集中して学習し、5分休憩するというサイクルを繰り返す方法です。短時間の集中を繰り返すことで疲れを防ぎ、集中力を維持しながら効率よく学習できます。
学習環境を整える
静かで集中しやすい場所で勉強するのが基本です。スマホを手の届かないところに置くなど、気が散る要因を排除しましょう。
読解力が伸び悩んだとき
勉強法を変える
参考書を変えてみたり、新しい教材やデジタルツールを取り入れることで、別の角度からの学力向上が期待できます。学習アプリや動画教材など、興味のあるものを取り入れてみると良いでしょう。
専門家のアドバイスを受ける
読解力が伸び悩んでいるときは、英語塾に通って講師に相談するのも良いでしょう。個々の学力に応じた学習方法について、具体的なアドバイスが受けられます。同じ目標を持つ仲間と一緒に学ぶことで、モチベーションが維持できます。
読解力を鍛える参考書の選び方
効率良く読解力を鍛えるためには、適切な参考書を選ぶことが重要です。学習成果やモチベーションにも大きく影響しますので、以下の解説を参考にして、慎重に選びましょう。
レベルに合った内容
基礎から発展まで、段階的に学習できる構成の参考書を選びましょう。学年や現在の英語力に合わせて、適切な難易度のものを選ぶことが大切です。 自分の現在の英語力に合った難易度の参考書を選びましょう。
多様なテーマの問題
読解力を向上させるためには、さまざまなテーマ(物語、説明文、ニュース記事など)を扱っている参考書を選ぶことが大切です。異なる種類の文章を読むことで、読解力が広がります。
解説が充実している
理解を深めるために、解説が充実している参考書を選ぶことが重要です。問題の解き方や解説が詳しく丁寧に書かれており、間違えやすいポイントや関連知識まで解説があると、なお良いでしょう。
音声付録が付いている
音声CDやオンライン音声の付録が付いている参考書を選ぶと、読んだ内容を聞き取る力も同時に鍛えられます。音読する際のお手本にもできるのでおすすめです。
段階的にレベルアップできる
初めは簡単な問題から始め、徐々に難易度が上がるタイプの参考書が理想的です。基礎力を固めた上で、段階的に難しい内容に挑戦できるため、学習進度と課題点が掴みやすくなります。
練習問題とその解答
基礎から応用まで、さまざまなタイプの問題が収録されている参考書が効果的です。定期試験や入試対策問題があると便利です。
読解力を鍛えて夢をかなえよう
本記事では、英語の読解力を鍛える勉強法と長文問題を解くコツについて、詳しく解説しました。
読解力を鍛えるためには、語彙力、文法力、文章構造の理解力も、一緒に向上させる必要があります。苦手意識を持たずに、適切な勉強法で取り組めば、確実に成果が得られます。
読解力を鍛える勉強法は、総合的な英語学習につながるため、結果的に英語力が大きく向上するメリットがあります。将来の夢や目標達成に向けて、毎日少しずつ努力を積み重ねていきましょう。