2021年度から全面実施された新学習指導要領により、英語力の重要性がさらに高まっています。この流れを受けて、英会話を習う子どもが増えています。その一方で、「習っても効果を感じなかった」という声も少なくありません。英会話を習ってみたいと思っている人の中には、本当に効果が得られるのか不安に思う人もいるでしょう。
この記事では、子どもが英会話を学ぶメリット・デメリットを詳しく解説し、効果がないと感じてしまう原因についてもお伝えします。さらに、英会話学習の効果を最大限引き出す学習方法も紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
子どもが英会話を学ぶメリット
英会話学習には、学校の授業だけでは得られない多くのメリットがあります。ここでは、主なメリットを紹介します。
プロの講師から学べる
英会話教室で学ぶ最大の魅力は、英語教育のプロから直接指導を受けられることです。ネイティブ講師からは本物の発音やイントネーション、自然な表現を学べます。また、日本人講師の場合は、日本人ならではのつまずきやすいポイントを理解したうえで、効果的な学習方法を提案してくれます。英会話のレッスンは、プロの講師が一人ひとりの学習レベルに合わせたきめ細かい指導が特徴です。文法の間違いをその場で修正してくれたり、より自然な表現を教えてくれたりするため、効率よく学習を進められます。
英語を実際に使う場を確保できる
学校の英語の授業では、どうしても文法や読解が中心になりがちで、実際に英語を話す機会が限られているのが現状です。英会話教室では、毎回のレッスンで英語を話す時間が確保されており、学んだ知識を実践で使う経験が積めます。知識として覚えた単語や文法も、実際に口に出して使うことで、しっかりと身につけられます。さらに、相手と英語でやり取りすることがコミュニケーションの練習にもなり、実用的な英語の習得が可能です。
英語に抵抗がなくなる
英会話教室では、間違いを気にせず積極的に英語を話せる環境づくりを大切にしています。完璧な文法で話すことよりも、相手に伝わればよいという方針で指導を行うのが一般的です。こうした環境が、話すのが恥ずかしい、間違えるのが怖いという子どもの心理的な壁を取り除いてくれます。講師は生徒の間違いを責めるのではなく、優しく修正してくれるため、安心して英語を話せます。こうした学習環境により、英語は完璧でなくても通じるという実感が得られ、英語に対する抵抗感が少しずつ薄れていきます。
聞く・話す力が身につく
学校の授業では、読む・書く力の習得が中心になりがちですが、英会話教室では聞く・話す力を重点的に鍛えられます。聞く(リスニング)・話す(スピーキング)力は、実際に英語を使う場面で最も必要とされる能力です。英会話教室では、相手の言葉を正確に理解するためのリスニング力に加え、自分の考えを伝えるためのスピーキング力も同時に養えます。リスニングやスピーキングを中心とした実践的な英語力を効率よく身につけられる点が、英会話教室で学ぶ大きなメリットです。
受験対策になる
近年の高校入試では、リスニング問題の配点が増加傾向にあります。また、大学入試でも英語の4技能(読む・書く・聞く・話す)をバランスよく評価する傾向が強まっています。英会話教室で身につけたリスニング力やスピーキング力は、これらの試験に対応する大きな強みです。さらに、実践的な英語力は、面接試験や英語検定試験においても威力を発揮します。暗記した知識ではなく、実際に使える英語を身につけることで、さまざまな場面に対応できる応用力も養われているのです。
海外や異文化への興味が広がる
英会話教室では、英語だけでなく海外の文化についても学ぶ機会が豊富です。ネイティブ講師との会話を通じて、海外の生活習慣や考え方に触れられ、世界を身近に感じられるようになります。海外のことを知ることで、将来の留学や海外での仕事に興味を持つきっかけになったり、異文化への理解につながったりします。グローバル社会で活躍するためには、異文化への理解が非常に重要です。相手の価値観やコミュニケーションの仕方を理解することで誤解やトラブルを避けられ、スムーズなやり取りが可能になります。
英会話を学ぶ際のデメリット
英会話学習には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。デメリットを理解しておくと、自分に合った学習方法を選びやすくなります。
費用がかかる
英会話を教室やオンラインで学ぶ場合には、継続的な費用がかかります。月謝制の教室なら毎月の授業料が必要で、マンツーマンや少人数制のレッスンを選べば、その分料金が高くなるのが一般的です。また、入会金や教材費が別途かかることも少なくありません。オンライン英会話でも、受講頻度や選ぶプランによっては費用負担が大きくなる場合があります。英会話学習を長期間続けることを考えると、無理なく続けられる教室やサービスを選ぶことが大切です。
学校の成績に直結しないことも
英会話教室で身につく実践的な英語力(リスニングやスピーキングなど)と、学校のテストで求められる英語力(文法、語彙、読解力など)には明確な違いがあります。そのため、英会話教室でリスニング力やスピーキング力を伸ばしても、学校の英語テストですぐに高得点につながるとは限りません。テスト対策と実践的な英語力向上の両方をバランスよく進められるよう、時期に応じて学習計画を調整することが大切です。
インプットが不十分な場合がある
会話中心のレッスンでは、新しい単語や文法を体系的に学ぶインプットの時間が限られています。そのため、家庭でのインプットの学習も欠かせません。特に、単語の暗記や文法の理解といった基礎知識の習得は、自分の努力に委ねられる部分が多いのが一般的です。より効果的に英語力を伸ばすためには、レッスンで学んだ内容を日々の家庭学習でしっかり復習し、新しい単語や文法を継続的に身につけることが大切です。
部活や塾との両立が難しい
中学生は学校生活が忙しく、部活動や他の習い事との時間調整が難しい場合があります。特に運動部に所属している場合は、長時間の練習や休日の練習試合などにより、英会話学習の時間を確保するのが大変です。また、高校受験を控えた中学3年生では、受験勉強との両立も大きな課題となります。限られた時間の中で英会話学習を続けるためには、必要に応じて回数や曜日を変更するなどの柔軟なスケジュール調整が必要です。
子どもの英会話学習が効果ないと言われる理由
「英会話を習っているのに効果がない」という声をよく耳にします。なぜこのような状況が生まれるのでしょうか。その主な理由を解説します。
家庭での学習量が足りていない
英語力が伸びないと感じる原因のひとつに、学習をレッスンだけに頼って、家庭での学習量が足りていないことが挙げられます。英会話のレッスンは、会話やリスニングなど実践的なアウトプットが中心です。そのため、新しい単語や文法をしっかりと身につけるには、家庭でのインプットの学習や復習が欠かせません。家庭学習の習慣がないと、せっかくレッスンで学んだ内容も定着しにくく、英会話学習の効果を十分に得られなくなってしまいます。
間違えるのが怖くて話せない
子どもの英会話学習に効果がないと言われる原因の一つに、日本人特有の間違えるのが怖いという気質があります。間違いを恐れて話すことをためらったり、完璧な文章を作ろうとして時間をかけすぎると、会話を練習するチャンスを逃してしまいます。英会話は慣れることが大切で、間違いを恐れずに積極的に話すことが上達の近道です。しかし、この心理的な壁を乗り越えるのに時間がかかる子どもも多く、英会話学習の効果を実感しにくい要因になっています。
レッスン内容や講師が子どもに合っていない
レッスン内容や講師が子どもに合っていない場合、英会話学習への意欲が維持できず、十分な効果が得られないことがあります。たとえば、内容が難しすぎると子どもは自信ややる気をなくし、逆に簡単すぎると飽きてしまい集中力が続きません。また、講師との相性も重要なポイントです。講師の教え方や話し方が子どもに合わないと、質問や発言がしづらくなり、不安やストレスで学習意欲が低下することがあります。
成果が見えるまで時間がかかり不安になる
実用的な英会話力を身につけるには時間がかかります。英会話学習は継続することが何より大切で、努力を続けるうちにある時点で急激に力が伸びることがよくあります。しかし、目に見える成果がすぐに現れないため、不安を感じる保護者や子どもも少なくありません。そうした安により、英会話学習は効果がないと判断し、途中でやめてしまうケースもあります。
英会話学習で効果を出す方法
英会話学習の効果を最大限引き出すためには、目標に沿った学習の継続が重要です。以下の学習方法を実践することで、より効果的に英会話を学べます。
目標を明確にする
英会話を習うときは、ただ話せるようになりたいと思うだけでなく、できるだけ具体的な目標を立てることが大切です。目標を明確にすると学習計画が立てやすくなり、進み具合も把握できます。まずは、なぜ英会話を習うのか、何を目指すのかをはっきりさせます。たとえば、英検4級の取得を目指す場合は、次のような目標の決め方があります。
ステップ①英検4級取得のゴールを明確にする
中学1年生の3学期までに英検4級取得
ステップ②スピーキング力の小目標を立てる
毎回のレッスン時に必ず一度は英語で質問する
ステップ③リスニングの小目標を立てる
毎日10分、英検4級レベルのリスニング問題を聞く
ステップ④リーディング・ライティングの小目標を立てる
週末ごとに英検4級のリーディング・ライティング問題を解く
ステップ⑤小さな達成を記録して自信につなげる
できたことをノートに記録する
このように、英検4級合格という大きなゴールから逆算し、日々の小さな目標を設定するのがおすすめです。小さな成功体験を積み重ねることにより、着実に力がつくだけでなく、学習意欲も維持しやすくなります。
家庭でも学習を欠かさない
レッスンで学んだことを定着させるためには、家庭での復習が欠かせません。レッスンで学んだ新しい表現やフレーズを、その日のうちに振り返り、ノートに書き出してみると記憶に定着しやすくなります。毎日少しずつでも英語に触れる時間を作り、習った表現やフレーズを繰り返し練習することが大切です。具体的な復習方法を3つ紹介します。
- レッスンで出てきた単語や表現を自分なりの例文にして書き出す
- 家で音読やシャドーイング(先生の英語をまねして繰り返す)をする
- レッスンノートを1日後・3日後にもう一度見直す
このような復習方法を取り入れると、習った知識が使える英語として定着しやすくなります。
積極的に質問・発言をする
レッスンは、実際に英語を使える貴重な時間です。だからこそ、受け身にならず、積極的に質問したり発言したりすることが大切です。分からないことがあれば遠慮せずに質問し、講師から話しかけられたときには積極的に答えると良いでしょう。間違いを恐れずに挑戦する姿勢こそが、英会話上達の近道です。生徒が積極的に取り組むことで、講師も生徒に合わせた効果的な指導が可能になります。
楽しみながら英語に触れる
英語学習を勉強としてではなく、日々の生活の中で楽しむものとして取り入れると、無理なく続けられます。たとえば、好きな英語の曲を聴いたり、海外ドラマを英語音声で視聴したりすることで、自然に英語の音や表現に親しめます。さらに、好きな海外のYouTube動画を視聴する、英語版のマンガを読んでみるなどの方法もおすすめです。自分の興味に合わせたものであれば、学習という意識をせずに英語に触れられます。このように、楽しみながら英語に触れることで英語への抵抗感がなくなり、英会話学習を続けるうえでも効果的です。
部活や塾との両立を考える
中学生の忙しいスケジュールの中で英会話学習を続けるためには、時間管理と優先順位の設定が大切です。部活動やほかの塾の時間と重ならないよう調整し、無理のないスケジュールを組むことで、長く続けやすくなります。さらに、英会話学習の時間を確保するには、どの時間帯なら学習に集中できるかを考えることも重要です。たとえば、部活のない日やテスト期間が終わった週にレッスンを増やす、土日の午前中をレッスン時間にあてる、といった方法があります。自分の生活リズムに合わせて、英会話学習の時間を柔軟に調整していくと良いでしょう。
英会話力は子どもの可能性を広げる財産
英会話学習は、はっきりと効果を感じるまでに時間がかかるのが一般的です。しかし、適切な学習方法で継続すれば、着実に英語力が身につきます。さらに、英会話学習によって得られるのは、語学力だけではありません。異文化への理解、コミュニケーション能力、国際的な感覚など、これからのグローバル社会で活躍するために必要な力も養われます。こうしたスキルは、将来の選択肢を大きく広げる貴重な財産になります。デメリットや注意点をしっかり理解したうえで、適切な方法で取り組めば、英会話学習は大きな成果につながるでしょう。

